パティスリー モデスト ― 控えめな名のもとに、やさしさが息づく菓子店

最高のスイーツを求めて

調布・国領の住宅街の中に、ひっそりと光る小さなパティスリーがあります。
「Pâtisserie Modeste(パティスリー モデスト)」——その名のとおり、派手さはなく、どこか控えめで上品。けれども、その一つひとつには確かな手仕事と美しいバランスが感じられます。

ショーケースを覗くと、ふんわりと焼かれたロールケーキ、艶やかなタルト、そして季節のパイ。
どれも過剰な装飾はなく、素材の色と形がそのままの魅力を放っています。
この“素直さ”こそが、モデストらしさなのかもしれません。

ロールケーキ

まずは、定番のロールケーキ。
スポンジはふんわりと軽く、ほのかに卵の香りが漂います。
巻き込まれたクリームは甘さ控えめで、舌の上でふわっと溶けていくよう。
どこか懐かしいのに、ひと口ごとにしっかりとした存在感があります。
「日常のご褒美」と呼ぶにふさわしい一品です。

ナガノパープルのタルト

続いて、秋の彩りを感じさせるナガノパープルのタルト。
つややかな葡萄の下には、カカオが香るショコラクリーム。
みずみずしさとほろ苦さが重なり合い、味に奥行きを生み出しています。
口に運ぶたび、秋の果実がもつ気品をしみじみと感じました。
見た目の華やかさだけでなく、味の完成度にも驚かされます。

マロンパイ(季節限定)

そして、今回の目当てでもあった季節限定のマロンパイ。
栗とくるみ、ほんの少しのレモンが香る、軽やかな秋のパイです。
何層にも重ねられた生地がさっくりとほどけ、中心からはやわらかな栗の甘み。
ほのかに酸味を帯びた香りが後を引き、最後まで飽きのこない味わいでした。
これは…思わずもうひとつ、と言いたくなるような美味しさです!


どのケーキも、甘さよりも“余韻”が印象に残ります。
食べ終えてからも静かに幸せが続くような、そんなやさしい菓子たち。
モデストという名が示す「控えめさ」は、決して弱さではなく、むしろ誠実さの証。
日々のなかに寄り添うお菓子として、この街にしっかりと根を下ろしていると感じました。

店舗情報

店名:Pâtisserie Modeste(パティスリー モデスト)
所在地:東京都調布市国領町3-8-15 くすのきアパート5号棟104号
営業時間:11:00〜19:00
定休日:不定休(来店前に公式サイトで要確認)

公式サイト:https://www.p-modeste.com/

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k-fukamachi

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